【地獄の思い出】僕が経験したSESの最悪な現場ワースト3

僕のSES体験談

はじめに:これは僕の失敗談。でも、あなたの身を守るための物語

今回もキラキラした話は一切ありません。
ですが、あなたがこれから危険な現場を避け、自分の身を守るための強力な「コンパス」になることをお約束します。

それでは、心の準備はよろしいでしょうか。

 

第3位:「君の責任だ」SESなのに”成果物の完成義務”を押し付けてくる地獄

これは、SESという契約形態の根幹を揺るがす、非常に悪質な現場でした。

どんな現場だったか?

とあるスマホアプリ作成プロジェクト。
すでにスケジュールが大幅に遅延しており、いわゆる「火消し要員」として僕と他数名が同時に投入されました。

客先のプロジェクトリーダーは、毎日朝礼でこう言いました。
「今日の必達はここまでね、いまが頑張りどきだから」

もちろん、最初は僕もそれなりのやる気を持っていたんですけど、「いまが頑張りどき」という言葉が毎日続くことに怖さを感じました。(結局、最初から最後まで頑張りどきでした)

 

ここが地獄だった…!曖昧な契約と精神論のダブルパンチ

ご存知の通り、SESはエンジニアの「労働時間」に対して対価が支払われます。成果物を完成させる義務はありません。

しかし、そのリーダーは平気でこう言ってくるのです。
「この機能、今日中の完成が必達だから。それまで帰らないでね。

これ、限りなく「偽装請負」に近い、アウトな指示です。

SESには完成責任は無いということを知ってか知らずか分かりませんが、平気で声を大にして言われると指摘なんて中々できるものではないです。

仮に「契約上、完成責任は負えません」と伝えても、「ふざけてんの?」、「完成させてくれないと困るんだけど」と精神論で丸め込まれてしまいます。

結果、終わらないタスクをこなすためにサービス残業は増え続け、休日も自主的に出勤するメンバーが出始める始末。なのに、リーダーはそれが当たり前のように「いまが頑張りどきだから」と言うだけ。

労働力を提供しているはずが、いつの間にか結果責任だけを押し付けられている。
このねじれた状況が、僕たちの心を少しずつ蝕んでいきました。

 

この地獄から学んだこと

「自分の契約内容を正しく理解し、曖昧な指示には屈しない」

この経験から、僕は自分の身を守るために「契約」という盾を意識するようになりました。理不尽な要求をされた際は、感情的にならず「契約では〇〇となっていますので、そのご指示は自社の営業を通してお願いします」と、冷静に一次受け答えをするスキルが身につきました。

 

第2位:心までカビが生える…太陽光の届かない「地下開発室」地獄

エンジニアのパフォーマンスは、スキルや知識だけで決まるわけじゃない。
「働く環境」がいかに重要か、骨の髄まで思い知らされた現場です。

どんな現場だったか?

セキュリティが厳しい、とある金融系のプロジェクト。
僕たちが通されたのは、ビルの地下1階にある、元々は倉庫だったような部屋でした。

もちろん窓はなく、一日中、青白い蛍光灯の光が煌々と灯っているだけ。
携帯の電波も届きません。

 

ここが地獄だった…!劣悪な環境が奪う、思考力と健康

その部屋の地獄っぷりを、五感で表現してみます。

  • 【視覚】 窓がなく外の天気が分からない。時間の感覚が狂う。
  • 【聴覚】 聞こえるのはみんながキーボードをたたく音と誰かのため息だけ。
  • 【嗅覚】 空気が淀み、PCの排熱と汗、謎のホコリっぽい匂いが混じって常に変なにおい。
  • 【触覚】 夏は蒸し風呂のように暑く、冬はコンクリートの底冷えが足から這い上がってくる。

人間、こんな環境に一日いるとどうなるか。
思考力が著しく低下します。 新しいアイデアなんて全く浮かびません。ただ、目の前のチケットを機械のように処理するだけ。

お昼休憩で地上に出て太陽の光を浴びた瞬間の解放感と、「またあの地下牢に戻らなきゃ…」という絶望感は、今でも忘れられません。

体調を崩すメンバーも続出し、プロジェクト全体の雰囲気も最悪。まさに心までカビが生えそうな環境でした。

 

この地獄から学んだこと

「物理的な労働環境は、精神衛生に直結する」

どんなに面白い仕事でも、環境が悪ければパフォーマンスは出ません。この経験以降、僕は面談の際に「もし可能であれば、実際に働くことになるオフィスを少し見学させていただくことは可能ですか?」と質問するようにしました。断られても構いません。その質問をするだけで、環境に対する自分の意識の高さを示すことができます。

 

第1位:狂気!「1日10時間超労働前提」のデスマーチ地獄

そして、僕のSES人生で最も心身を削られた、文句なしのワースト1位がこの現場です。

どんな現場だったか?

大規模なシステムリプレイス案件。
いわゆる「デスマーチ」の典型でした。
この現場の異常性は、プロジェクトのスケジュールを見た瞬間に分かりました。

そこに引かれていたガントチャートは、全メンバーが「1日10時間以上」稼働することを前提に組まれていたのです。

 

ここが地獄だった…!”定時”という概念の崩壊

つまり、この現場では毎日少なくとも2時間以上の残業をすることが「定時」だったのです。
狂っていますよね?

17時半の定時で帰ろうものなら、現場リーダーから「え、もう帰るの?みんな頑張ってるんだけど」と強烈な嫌味を言われる。帰りづらい空気なんてものではありません。帰ることは明確な「悪」でした。

当然、10時間稼働前提でもスケジュールは遅延します。
するとどうなるか?

「定時(=1日10時間労働)」から、さらに追加で残業が発生するのです。

終電が近くなると帰るのも面倒になりプロジェクトルームに泊まり込む日も少なくありません。土日も当たり前に出勤。プライベートな時間は消滅し、ただ会社と家を往復するだけのゾンビのような生活。

「昔は月200時間残業なんてザラだったんだから」

そんな時代錯誤の武勇伝を語る現場リーダーに本当に嫌気がさしました。

 

この地獄から学んだこと

「命より大切な仕事など、この世に存在しない」

この現場を経験して、僕が確信したことです。
長時間労働が常態化している会社やプロジェクトは、個人の努力でどうにかなる問題ではありません。それは組織構造の欠陥です。

そんな場所にあなたの貴重な時間と健康を捧げる必要は、1ミリもありません。
自分の心が「もう限界だ」と悲鳴を上げる前に、戦略的に「撤退」する勇気を持ってください。

 

なぜ、そこまでしてエンジニアを続けるのか

ここまで読んで、気分が落ち込んでしまったらすみません。
「やっぱりエンジニアなんて、SESなんてやるもんじゃない」と思ったかもしれません。

でも、僕は今もエンジニアを続けています。
なぜなら、これらの地獄を経験したからこそ、「自分で環境を選ぶ力」を身につけることができたからです。

  • ヤバい契約にはNOと言う。
  • ヤバい環境からは離れる。
  • ヤバい働き方からは逃げる。

これらの「ヤバい」を正確に見抜くセンサーが、僕には備わりました。
そして、そのセンサーを頼りに働き場所を選べば、SESは多様な経験を積める素晴らしい働き方になり得ることも知っています。

 

まとめ:地獄の経験を、未来へのコンパスに変えよう

今回は【新編】として、僕が経験した最悪な現場ワースト3をお届けしました。

第3位:成果物責任を押し付けてくる地獄
第2位:劣悪な環境の地下開発室地獄
第1位:「1日10時間超労働前提」のデスマーチ地獄

これらの経験は、思い出すだけでも辛いものです。
しかし、この経験があったからこそ、僕はエンジニアとして、一人の社会人として、自分の身を守る術を学びました。

この記事が、あなたのエンジニア人生の道標となる「コンパス」となり、危険な航路を避ける手助けとなることを、心から願っています。

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