SESの勤務時間は?残業が多い現場と少ない現場の特徴

SESの基礎知識

「SESって、客先常駐だから勤務時間が不規則で、残業も多いんでしょ…?」

SESに興味がある方、あるいは現役でSESとして働いている方なら、一度は「勤務時間」や「残業」について不安に思ったことがあるのではないでしょうか。

結論から言います。

SESの勤務時間は、完全に「現場ガチャ」です。

定時ダッシュが当たり前の天国のような現場もあれば、正直「これ、労基法的に大丈夫…?」と心配になる地獄のような現場も、僕は両方経験してきました。

「現場ガチャ」なのでどうしても運の要素からは逃れられませんが、今回の記事では少しでも良い現場に当たれるようにできること、意識しておきたいことなんかを、僕のリアルな体験談を交えながらお伝えしていきます。

 

  1. SESの勤務時間は「客先次第」という大原則
    1. 基本は「9:00〜18:00」。でも本当に色々あるのが実態
    2. 僕が経験したちょっと変わった勤務時間パターン
  2. 【経験者が語る】残業が多いSES現場のヤバい特徴5選
    1. ①常に炎上している「デスマーチ」プロジェクト
    2. ②慢性的な人手不足で一人当たりの業務量がおかしい
    3. ③客先のプロパー社員がいつもイライラ&疲弊している
    4. ④「残業は美徳」という古き良き(?)文化が根付いている
    5. ⑤契約の条件として「みなし残業代」の記載がある
  3. 【激レア】残業が少ないSES現場の特徴
    1. ①官公庁や金融系など、お堅い業界の現場
    2. ②勤怠管理が1分単位で、異常に厳しい
    3. ③「残業=マネジメントの失敗」という文化が浸透している
  4. 【入社前に見抜け】残業の少ない優良現場を引き当てるための具体的な方法
    1. 面接で「平均残業時間」の”聞き方”を工夫する
    2. 自社の営業担当に「どんな案件が多いか」を正直に聞く
    3. 会社の口コミサイトの「一文」を読み解く
  5. もし残業地獄の「ハズレ現場」に当たってしまったら…?
    1. 絶望する前に、まずは自社の営業担当に相談!
    2. スキルを磨いて「現場を選べるエンジニア」になるのが最強の解決策
  6. まとめ|SESでもプライベートは充実できる!正しい知識で優良現場を掴み取ろう

SESの勤務時間は「客先次第」という大原則

まず、大前提として知っておいてほしいのが、SESエンジニアの勤務時間は、常駐している客先の就業規則に従うということです。

自社の就業時間が「9:30〜18:30」だとしても、客先が「9:00〜18:00(休憩1時間)」であれば、それに合わせるのが基本です。

基本は「9:00〜18:00」。でも本当に色々あるのが実態

多くのIT企業が採用している「9:00〜18:00」や「10:00〜19:00」が、SESの現場でも最も一般的な勤務時間です。

とはいえ、これはあくまで「一般的」な話。

客先の業界や文化によって、勤務時間は本当に様々です。

 

僕が経験したちょっと変わった勤務時間パターン

僕の経験だけでも、これだけのバリエーションがありました。

  • 完全フレックス制の現場: コアタイム(10:00〜15:00)さえいればOK。朝が苦手な僕には助かる現場でした。
  • シフト制の現場: 24時間365日の監視業務。夜勤もあって体調管理が大変でしたが、平日に休みが取れるのはメリットでしたね。
  • 8:30始業の現場: ちょっと朝が早い金融系の現場。その分、定時が17:30なので早く終われる(かも)という淡い希望に繋がりました。(実際に17:30に帰れるとは言っていません)

このように、SESの勤務時間は良くも悪くも「客先次第」。だからこそ、どんな現場にアサインされるかが非常に重要になってくるわけです。

 


【経験者が語る】残業が多いSES現場のヤバい特徴5選

ここからが本題です。僕が「うわ、この現場はヤバそうだ…」と察知する、残業まみれの現場の共通点を5つご紹介します。

これからSES企業を選ぶ方、現場を変わりたい方は、ぜひ覚えておいてください。

①常に炎上している「デスマーチ」プロジェクト

納期が迫っているのに、まったく終わる気配がない…。いわゆる「デスマーチ」状態のプロジェクトは、問答無用で残業地獄と化します。

僕が経験した最悪の現場は、大規模システムリプレイスの最終局面でした。

3ヶ月間、終電帰りどころか会社に泊まる日もある…という感じで、オフィスのソファーで横になっている人や自席に突っ伏している人が何人もいるような、今思えば異常な光景でした。

 

②慢性的な人手不足で一人当たりの業務量がおかしい

プロジェクトが炎上しているわけでもないのに、なぜかいつも忙しい。

それは、単純に人手が足りていないケースです。

「本来3人でやるべきタスクを、なぜか2人で回している」みたいな状況ですね。こういう現場は、誰か一人が休んだだけで業務がパンクするので、有給も取りづらいという二重苦に陥りがちです。

見積が甘いのか何なのか、こういう客先はかなり多い印象です。

 

③客先のプロパー社員がいつもイライラ&疲弊している

現場に入ってまずチェックするのは、客先のプロパーさんたちの表情です。

みんな目の下にクマを作っていたり、常にキーボードを叩く音が荒々しかったり、ちょっとしたことでイライラしていたり…。

これは、彼ら自身が長時間労働で疲弊している証拠。当然、僕らSESエンジニアもその流れ・雰囲気に巻き込まれてしまいます。

 

④「残業は美徳」という古き良き(?)文化が根付いている

信じられないかもしれませんが、未だに「遅くまで残って頑張っているやつが偉い」という文化の現場は存在します。

定時で帰ろうとすると、「もう帰るの?」や「体調悪い?」と言われたり、上司が帰るまで帰りづらい雰囲気だったり…。

こういう現場は、スキルアップに繋がらない無駄な残業が多くなりがちなので、早めに脱出を考えた方が賢明です。すぐに自社の営業に実態を相談して引き剥がしてもらいましょう。(営業が見方でいてくれるなら)

 

⑤契約の条件として「みなし残業代」の記載がある

これは企業選びの段階でのチェックポイントです。

「みなし残業代(固定残業代)」制度自体が悪いわけではありません。

しかし、「月45時間分のみなし残業代を含む」といった記載がある場合、「毎月それくらいの残業は覚悟してね」という企業からのメッセージである可能性が高いです。そして間違いなくそれ以上の残業をさせられることになります。

もちろん、全ての会社がそうとは限りませんが、一つの注意信号として捉えておきましょう。

 


【激レア】残業が少ないSES現場の特徴

絶望的な話ばかりしてしまったので、今度は僕が「最高だった!」と思える、残業が少ない優良現場の特徴をお話しします。

①官公庁や金融系など、お堅い業界の現場

意外に思われるかもしれませんが、官公庁や金融系の現場は、労務管理がしっかりしているため、残業が少ないことが多いです。

予算や計画がガチガチに決まっているので、無茶なスケジュールでの開発が少ないんですね。

セキュリティが厳しかったり、独自のルールが多かったりするデメリットはありますが、「プライベートの時間をきっちり確保したい」という人からすれば行きたいと思える現場です。

 

②勤怠管理が1分単位で、異常に厳しい

PCのログイン・ログオフ時間で勤怠が管理されており、1分でもズレると理由書を書かされるような現場は、間違いなくホワイトです。

それだけ会社が「無駄な残業をさせない」という強い意志を持っている証拠ですからね。

 

③「残業=マネジメントの失敗」という文化が浸透している

これが一番の本質かもしれません。

残業が少ない現場は、管理職(プロパー社員)に「残業させるのは、自分のマネジメント能力が低いせいだ」という意識が根付いています。

だから、無理なスケジュールは組まないし、業務が偏っているメンバーがいればすぐに調整してくれます。こういう上司の下で働けるのは、本当に幸せなことですね。

 


【入社前に見抜け】残業の少ない優良現場を引き当てるための具体的な方法

「残業が多い現場・少ない現場の特徴はわかったけど、どうやって入社前に見抜けばいいの?」

その疑問にお答えします。100%ではありませんが、限りなく確度を高める方法はあります。

面接で「平均残業時間」の”聞き方”を工夫する

面接で「残業はどれくらいありますか?」とストレートに聞くのは、あまりオススメしません。「仕事への意欲が低い」と捉えられかねないからです。

僕が使っていた、面接官に良い印象を与えつつ実態を探る魔法の質問はこちらです。

「御社では、皆さま自己学習やスキルアップのために、業務外でどのような時間を使われていることが多いでしょうか?私も、業務のパフォーマンスを上げるために、平日の業務後も学習時間を確保したいと考えているのですが、月平均でどの程度の残業時間を見込んでおくと、業務との両立がしやすいか、差し支えなければ教えていただけますか?」

「スキルアップのため」というポジティブな文脈で聞くのがポイントです。

また、「平均」だけでなく「繁忙期はどれくらいになりますか?」とセットで聞くと、より実態が見えてきます。

自社の営業担当に「どんな案件が多いか」を正直に聞く

SES企業に入社する場合、面接官だけでなく、営業担当と話す機会も非常に重要です。

彼らは現場の情報を一番持っています。

「僕はプライベートの時間も大切にしたいのですが、御社では残業が比較的少ない、保守運用のような案件も多く扱っていますか?」といった形で、自分の希望を正直に伝えてみましょう。

誠実な営業さんなら、正直に「うちは開発案件が多いから、残業がゼロとは言えないな…」などと教えてくれるはずです。

会社の口コミサイトの「一文」を読み解く

転職用の口コミサイトは玉石混交ですが、ヒントは隠されています。

特に注目すべきは「現場によりますが…」という一文。

  • 「現場によりますが、私がいた場所は定時で帰れました」
    → ホワイトな現場も存在する(が、ハズレもある可能性)
  • 「現場によりますが、基本的に残業が多いです」
    → 会社全体として、残業が多い案件を中心に扱っている可能性が高い

このように、書かれている内容の「主語」や「範囲」を意識して読むと、より深く企業の体質を理解できます。


もし残業地獄の「ハズレ現場」に当たってしまったら…?

万全の対策をしても、運悪く残業が多い「ハズレ現場」に当たってしまうことも、残念ながらあります。

でも、絶望する必要はありません。

絶望する前に、まずは自社の営業担当に相談!

まずやるべきことは、自社の営業担当への相談です。

「今の現場は残業が多く、心身ともに辛い。契約更新のタイミングで、別の現場を検討してほしい」と、正直に伝えましょう。

まともなSES企業であれば、エンジニアを使い潰すようなことはしません。すぐに動いてくれなくても、あなたの状況を会社にインプットしておくことが非常に重要です。(まともなSES企業であれば…です)

 

スキルを磨いて「現場を選べるエンジニア」になるのが最強の解決策

結局のところ、これが最強の解決策です。

需要の高いスキルを持っていれば、会社もあなたを手放したくありません。

「〇〇さんのスキルなら、A社でもB社でも引く手あまただ。今の現場が嫌なら、すぐに次の現場を探します!」と、会社側から動いてくれるようになります。

忙しい現場で勉強時間を確保するのは大変ですが、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用して、少しずつでも自分の市場価値を高めていくことが、残業地獄から抜け出す一番の近道なのです。

 


まとめ|SESでもプライベートは充実できる!正しい知識で優良現場を掴み取ろう

今回は、SESの勤務時間と残業について、僕の経験を元にリアルな実態をお話ししました。

最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

▼ 残業が多い現場の特徴

  • デスマーチ状態
  • 慢性的な人手不足
  • プロパー社員が疲弊している
  • 「残業=美徳」文化
  • みなし残業時間が長い

▼ 残業が少ない現場の特徴

  • 官公庁・金融系などお堅い業界
  • 勤怠管理が異常に厳しい
  • 「残業=悪」文化

SESは「現場ガチャ」と言われますが、正しい知識を身につければ、そのガチャの当選確率を格段に上げることができます。

この記事で紹介した「現場の見分け方」や「面接での質問方法」を武器にすれば、残業が少なく、プライベートも充実できる、あなたにとっての”当たり現場”はきっと見つかります。

あなたのエンジニアライフが、より良いものになることを心から願っています!

タイトルとURLをコピーしました